S:24 |
朝の職場。林 哲也が寄ってくる。 |
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林 哲也 |
大野さん。ちょっと待って下さい。 |
大野陽子 |
また、ジャンプ? しょうがないわね。いつまで。 |
林 哲也 |
来週中には、きっと。今度の給料で返しますから。 |
大野陽子 |
(事務的に)しょうがないわね。ほら、じゃここに名前を書いて判を押して。 |
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大野陽子は、机の引き出しから借用証をだす。5万円を5万3千円に金額訂正する。林哲也は、金額訂正にむっとするが、渋々応じる。しかし、たちまち陽気になり。 |
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林 哲也 |
大野さん。今度…だめ? |
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林哲也は、なにげに大野陽子の肩に手を置くが、大野陽子もなにげにそれを外す。 |
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大野陽子 |
気持ちは嬉しいけど、何度誘われても、まずお金を返してからね。林く ん。お金には、名前が書いてはないのよ。それを良く考えてね。 |
林 哲也 |
名前が書いてないってことは、借りたお金は、返すまでは僕のものですね。 |
大野陽子 |
… |
林 哲也 |
じゃ、奢りますから、一度、行きましょうよ。 |
大野陽子 |
(気軽に)またね。 |
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S:25 |
職場の廊下で、内山 徹にすれ違いざま |
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大野陽子 |
たまってるのよ。 |
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内山 徹 |
わかってますよ。 |
大野陽子 |
今月中よ。 |
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内山 徹、黙って去る |
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S:26 |
職場の風景。大野陽子は、仕事をこなす。大野陽子は、仕事ができる女ふう。 昼食から戻って、職場の机で、大野陽子が明るく電話をとる。 |
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電話(森光太郎) |
見てたぜ。男は死んだよ。 |
大野陽子 |
何を言っているんですか。 |
電話(森光太郎) |
ぶつけたろ。あいつが死んだんだよ。誰も見てないと思っていたのか。 新聞に出てるぜ。また電話するからな。 |
大野陽子 |
… |
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S:27 |
受付にある待ち合いコーナーの新聞を見に行く。三面の下のほうに、
−昨夜一一時頃、県道○○線の○○あたりで、若い男性が死んでいるのが発見された。 死因に不審な点があるので、警察では変死と見て調査を始めた。− |
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