|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
ダバオ雑感−4 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
男たちの盤上ゲーム
路上で遊ぶ男2人を、2カ所で発見した。 ベニヤ板にマス目を書き、ペットボトルのキャップを並べている。 マニラの繁華街では盤上ゲームに興じる姿をみなかったが、ダバオでは男たちが熱心に遊んでいた。 王冠を使うのはタイのダームと同じだが、マス目の書き方が違う。 斜め線が入っている。 挟んで取るのは同じらしい。 終盤になると一度に2〜3ヶの駒がとれるようだ。 短時間の観察では、このルールは判らなかった。 これ以外にチェスをやっているシーンを3回みた。 そのうちの2回はタクシーの窓越しだったので、写真が撮れず実に残念だった。 ジープニー運転手のたまり場で、再度、盤上ゲームを発見。 若い男と中年男性が盤を間に座っている。 何人かの男たちが周りを取り囲んでいる。 男ばかりのお馴染みの光景である。 近づいて見物人の中に入る。 盤上ゲームに興じる2人には圧倒的に実力差があり、年寄りの方が立て続けに3回も負けていた。 1ゲームに20ペソを賭けており、残念そうに20ペソ紙幣を渡すのだが、それでも止めずに挑戦していた。 論理を遊ぶ盤上ゲームは男のものだ。 麻雀やカードのように運がからむゲームは、女性たちも大好きだ。 ダバオでも何カ所かで見た。 しかし、論理を突き詰める将棋やチェストいった盤上ゲームには女性は手を出さない。 この原則はダバオでも例外ではなかった。 近代が論理から始まったとすれば、近代は男性の切り開いたものだったのだろうか。 フィリピンでは盤上ゲームはすでに峠を越えたのか、それともこれから普及するのか今回だけでは判らない。 路地先の小さな店にはPCがおかれインターネットに興じているが、子供たちが携帯型のデジタル・ゲームに興じるシーンが少ないこと。 また街の雰囲気や外来品との価格差などを考えると、フィリピンの近代化はこれからが本番のような気がする。 そうしたことを考えると、男たちが盤上ゲームに興じるのも、これからが本番のように思える。 世界同時的 鷲はフィリピンの国鳥で、絶滅の危機にあるらしい。 フィリピン・イーグル・ファウンデーションで保護・飼育されている。 鷹を見にダバオの街からタクシーで1時間も離れた山の中までいった。 タクシーの運転手が気を利かせて、帰りにはジャパニーズ・トンネルに案内してくれた。 戦争中に日本軍が掘った穴だとかで、付近には日本人観光客相手のレストランなどがあった。 元日なのでレストランはどこも休み。 帰りに昼食を食べたいというと、運転手はジャックス・リッジという高級レストランに連れて行ってくれた。 山の中腹にある大きなレストランで、ロケーションはすばらしくダバオの街が一望できる。 夜でも来れば、さぞやと思わせた。 しばらくすると10人くらいの家族連れが、隣のテーブルに陣取った。 ダバオでは大家族でのイベントが多いようで、どこでも大家族で移動する姿を見る。 後述するサマル島の海水浴場でも、20人くらいの大家族はざらにいた。 家族連れの中のお婆ちゃんらしき女性が、孫だろうか3歳くらいの子供をあやしている。 そのお婆ちゃんが子供相手に、フォークを握って「I have a fork」と歌った。 聞いたことのあるメロディだ。 PPAPだ! 彼女は「I have a pen」をもじって歌ったのだ。 何と、ここでもピコ太郎が流行っていた。 驚いた。 英語が普及している国だから、お婆ちゃんが英語で歌ってもおかしくはない。 ユーチューブの影響力! 世界各地には固有の文化がある。 もちろんダバオにもあるだろう。 今まで各地に固有の文化はあったが、世界同時的な流行は見なかった。 しかし、今では世界同時なのだ。 それをショッピング・モールでも感じた。 ダバオには大きなショッピング・モールがいくつかある。 ショッピング・モールは中産階級を相手にしたもので、もちろん入り口には手荷物検査をするガードマンがいて、貧乏人は入場を排除されている。 ダウン・タウンの近くにある<ヴィクトリア・モール>は、古いらしく店もちょっとくたびれている。 しかし、右の写真のような最新の<SM>はきわめて大きく、アプローチから店内までピカピカである。 そこにはSONY、PanasonicなどからNIKEなどなど先進国のブランドは何でも揃っている。 しかも、そこで流れている音楽は、Taylor Swiftの「Shake it off」だったり、The Chainsmokersの「Closer」だったりと、先進国と同じなのである。 マニラから飛行機で1時間半も離れたダバオは田舎である。 そのショッピング・モールに、「Closer」が流れていることを想像して欲しい。 レストランで老女がPPAPを歌ったのも驚いたが、どこの中産階級も同じ生活を指向している感じがする。 かつてパリに住んでいる姪が、日本に来たときNicki Minajの「Starships」を話題にしていた時も、パリとニューヨークでは同じ曲が流行っているのかと驚いたが、ダバオの田舎でも先進国と同時進行なのだ。 ダバオのショッピング・モールでもレノボはもちろんHuaweiまでが、AsusやSamsung、Canonなどと並んで出店している。 1995年頃ベトナムのハノイで、ボクはSamsungの看板を見た。 それから、20年しないうちに日本企業は負けてしまった。 世界中が同じ地平に立とうとしている。 タタの車と言い、今後、ますます競争が激しくなるだろう。 我が国の長閑な自賛的な技術賛歌はむなしく聞こえてくる。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
|