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第4日目−2 プールで |
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見慣れたホテルに到着。
ロビーで水をもらう。 貸し水着がないか聞いてみる。 ない! という返事。 するとフロントの女性が、ショートパンツでも良いんじゃない、という。 そうか、と納得である。 プールを見ると誰もいない。 ロビーもクーラーを入れているので、カーテンが引かれている。 プールはロビーからも見えない。 それならと、パンツでもOKだろうと、自分で決めてしまう。 ボクのはいているパンツは、デカパンなので無理無理の解釈で、ショートパンツでも通るだろう、と思ったわけだ。 誰もいないし…。 冷たい。 でも入るんだと、固い決意でプールの中へと入っていく。 階段状になって、一番下に立った時には、すでに胸くらいの深さである。 冷たさにグッと耐えて、水に身体を投げ入れる。 そっと手をかいて進む。 向こう岸に着いたら、こちらへと帰ってくる。 バスタオルで水分をぬぐう。 プールサイドにあるデッキに横になる。 木が目の前に見える。 高く伸びた枝が、プールに被さっている。 火照った身体も落ち着いてきた。 暑さから逃れることができた。 通りかかったホテルの女性にコーヒーを頼む。 ゆったりと横になって、コーヒーを楽しむのは極楽極楽である。 暫くすると、中年の白人男性がプールにやってきた。 彼はパンツではなくショートパンツである。 大きく出っ張ったお腹の真ん中には、手術跡が縦に走っている。 ゆっくりと水に入る。 しかし、水を冷たいとは感じていないようだ。 中央に首だけ出している。 ホテルの女性が、水面の落ち葉を拾い始めた。 そして、客だろう彼に、水底の枝を拾うように頼んでいる。 そのやり取りが何とも良い感じである。 1時間くらいたっただろうか、色白の中国人らしき女性が、小さな子供を連れてやってきた。 2人ともきちんとした水着姿である。 プールサイドに座って、水に足を入れている。 冷たいのだろう。 なかなか中へは入らない。 誰もボクのパンツには注目していない。 ゆっくりと時間が流れていった。 |
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