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第4日目−1 旧市街探索 |
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今日はもう帰る日である。
しかし、飛行機が夜の8時50分なので時間がある。 ホテルで朝食を済ませ、午前中は自由行動となる。 チェックアウトする者は、荷物をフロントに預ける。 4人と2人のグループに分かれる。
チェンマイには無数のお寺があるが、どのお寺を見ても同じように見えるので、観光客としては一つ見れば充分と思ってしまう。 こちらにお寺に関する素養がないから、違いがわからないのだ。 しかし、折角チェンマイに来たのだから、もう一つくらいは、お寺を見ようと言うことになった。 ワットサンポウという小さなお寺に行く。 ほとんど人がいない。 日本の寺院のように森閑としているわけではなく、何となく日常の続きといった感じが満ちている。 仏様もゆるい感じで微笑んでいる。 全身が金ピカだから、日本的な有り難さはまったく感じない。 むしろ、すぐ身近にある優しい桃源郷のような感じがする。 本堂の中で、しばらく時間を過ごす。 ここで3人と別れ、これからは単独行である。 ボクは旧市街の写真を撮りに街を歩く。 チェンマイは西安のように、四角い城壁に囲まれていたのだが、現在ではほとんど城壁は残っていない。 四隅の部分の城壁だけが残っている。 しかし、城壁の外にある堀はしっかり残っており、この堀に囲まれた部分が旧市街である。 旧市街は小さく、30分も歩けば端から端まで行ける。 ワットサンポウから北に向かい、堀に沿って左折して西へと歩く。 堀の向こうに何やら他とは違う感じのするお寺が見える。 堀には人間専用の橋が架かっている。 橋を渡って近づいてみる。 色や建物の形は違っても、基本的な雰囲気は同じである。 とにかくノンビリとした空気が漂っている。 ゆったりしている。同じお寺でもバンコックではこうはいかない。 菩提樹の下には小さな仏様が、無造作に安置されている。 我が国なら真っ直ぐに立っているであろうが、こちらではちょっと傾いでいたりする。 それでも気にすることはない。 その何気なさ、無造作な様子が、ゆとりを感じさせるのだろう。 こうした雰囲気で暮らしていると、引きこもりなど起きようがないと感じる。 大人たちが昼寝をしていても許される国は、豊かな風土に恵まれているに違いない。
丸文字でいろいろと書いてある。 よく見ると菩提樹の中央の印がちょっと違う。 ケースには12の引出があり、少しずつ違った菩提樹の葉が入っている。 人は自分の菩提樹の葉を選んで絵馬とするのであろう。 ボクはどれを選べよいか、近くで昼食の体制に入っている若いお坊さんに聞いてみた。 すると生年を聞いてきた。 釈迦が入滅した翌年がタイの仏滅紀元だそうで、ボクの生年に543年足すと、現在の仏教年齢がでるのだという。 加えた数字でもって、12のケースから選んでくれた。 20バーツの喜捨と共に絵馬を奉納する。 堀の内に戻って西の方へ向かう。 そして、堀の角を南へと転じる。 今日は旧市街を徹底して歩いてみるつもりである。 1995年頃には、至る所でダームが遊ばれていたが、今ではまったく見ることができない。 ナイト・バザーと市場付近でやっていただけだ。 しかも、2組とも中高年だった。 かつては若者もやっていたが、今の若者は携帯ゲームなのだろうか。 すでに遊ばれなくなって久しいダームのテーブルが、家の軒先に転がっていたりする。 ホコリだらけで、明らかに使われていない。 去年、バンコックで見たダームも僅かなものだった。 チェンマイのほうが田舎で、バンコックより近代化は遅れているはずである。 そのチェンマイでもダームが廃れているのだから、タイはすでに近代化が成熟しつつあるのだろうと思う。 細い路地へ入り込み、また広い通りへと出てくる。 大きなお寺の裏にでた。 あまり自信はないが、ワット・ムーングンゴーンだと思う。 何しろあちこちにお寺だらけで、いちいち名前を確認してはいられない。 本堂の裏側には、学寮だと思われる3階建ての建物が何棟も並んでいる。 その窓からは黄色い袈裟が干されており、いかにも男所帯といった感じが漂ってくる。 本堂のほうへ目を向けると、敬虔な女性たちが柄杓で水を流して、頭を下げている。その姿が何とも気楽で、楽しげである。そっと写真を撮らせてもらうが、目が合ってもフッと微笑むだけ。だんだん暑くなってきた。南側の堀までたどり着いた。 堀に沿って歩かずに、また細い路地へと入っていく。寮のような建物の脇をとおる。ちょっと厳めしい男たちが多いような感じ。警察が近いので、警察の寮かも知れない。そういえば赤色灯をつけた車も止まっていた。しかし、汚い外観である。外壁の手入れをしないから、ただ汚くなっただけという感じ。お寺の学寮よりも殺伐として、親近感がわかない。 狭い路地から、ちょっと広い路地へと歩く。 するとドラエモンの布団が3枚も干してあった。 たくさんの洗濯物が干してあったので、兄弟が多いのかも知れない。 ドラエモンやピカチュウは、世界中で見ることができる。 もう日本の国籍じゃなくて、世界の市民になりつつあるかも知れない。 暑さに負けて、徐々にホテルへと足が向かう。 一応、旧市街を一周したし、と納得させながらホテルへの道を歩く。 |
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