クウェー川に架かる鉄橋は、誰でも歩いて渡ることができる。
黒く塗られた鉄が艶を失って、いかにも古い姿をみせている。
現代の構造物と違って、肉厚な鉄の塊といった感じだ。
観光客たちは気ままな姿で鉄橋の上で写真を撮る。
もちろんボクも渡った。
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クウェー川に架かる鉄橋 |
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カラフルな列車 |
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泰緬鉄道へと続く |
そして、写真を撮った。
そうとうに高いが、手摺りがあるので恐怖感はない。
下には茶色い水が流れているが、高いから水の表面が判別できるというわけではない。
鉄橋の中間に立つと、あたりが見渡せて気持ちが良い。
ちょうどその時、対岸から列車がやってきた。
タイの国旗を立てたカラフルな列車が警笛を鳴らしながら、ほんとうにゆっくりと近づいてくる。
10メートルおきくらいに待避所のような場所もあるが、待避所に逃げる必要はない。
鉄橋の上にいる観光客は、慌てることなくレールから離れ、両側にある50センチくらいの歩道のような部分へと避難するだけだ。
4両くらいの客車を引いた機関車は、観光客の傍をゆっくりと通過していく。
毎日くり返される風景なのだろう。
鉄橋の反対側のアーチ部分には、横河橋梁の製作と書かれていた。
鉄橋を渡りきった。そこには古びた看板が立っていた。
タイ語と英語で次のように書かれていた。
警告 橋を渡るときは注意せよ。列車が橋に近づいたときには、安全なプラットフォームへ移動せよ。タイ国鉄はいかなる事故に対しても責任を負わない。
こうした看板を出して、観光客に自由に鉄橋を渡らせるか、それとも禁止するか。
おそらく我が国なら、鉄橋に立入禁止とするだろう。
もちろんボクはタイ国鉄のやり方に賛成である。
ここは新幹線の通る鉄橋ではない。
1日に何本も通らない、しかも超スローな列車なのだ。
事故は観光客の自己責任だとしても良いだろう。
ここから先が、泰緬鉄道のハイライトらしい。
なにせ捕虜を酷使して、多くの死者を出した工事区間である。
危うい崖スレスレに列車が通ったり、木製の橋があったりするらしい。
これより先に行く列車は、1日に3本しか走っていない。
残念ながらダイヤがあわずに、列車に乗ることはできなかった。
私設の第二次世界大戦博物館に寄ったりしながら、カンチャナブリーのバス発着所へと戻る。
旧道といった感じの道で、あまり車も通らないし、あたりには家並みが続くというわけではない。
ときどき道路から離れた向こうに家が表れるだけだ。
クウェー川にそってバンガローが建っている。
そこには長期滞在の白人がいるらしく、彼らのバイクに乗っている姿を見かける。
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