隣の船着場まで歩く。
しかし、この船着場はエキスプレスボートの船着場ではなく、対岸との渡し船のものだった。
で、また移動。
やっとエキスプレスボートの船着場に辿りつく。
エキスプレスボートは、あいかわらず忙しない。
口笛の合図に従って、船着場に接近したかと思うと、すぐに乗降が始まり慌ただしく出発していく。
我が国の電車のようにアナウンスもなければ、親切な案内もない。
エキスプレスボートには定員があるのだろうか。
平屋の船だから重心が低いとは言え、立錐の余地もないほどに乗客を詰め込む。
切符売りの車掌さんが移動する隙間もない。
茶色に濁ったチャオプラヤ川に投げ出されたら、岸まで泳ぎ切る自信はない。
ヒヤヒヤものである。
テーウェートでエキスプレスボートを降りる。
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チンチロリンに興じる男たち |
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中華系のお祭りだったらしい |
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エキスプレスボートが離れていく |
船着場にレストランがあり、ガイドブックでは推薦されていたが、広い客席にお客が誰もいない。
日本語のメニューもあったので、団体さん用だろうと退出する。
船着場から街のほうへと歩くと、売店の裏でチンチロリンをやっている。
写真を撮っても良いかと尋ねると、意外にもOKとのこと。
数枚撮ったところでNGがでた。
盤上遊戯では撮影を断られたことはない。
もちろん彼らはお金を掛けているが、筋を読むという知恵を絞ることに専念しており、お金を掛けることの意味が小さいのだろう。
それに対して、純粋にツキを遊ぶカード類は、撮影拒否にあうことが多い。
ベトナムではカードに興じる女性たちから大変な剣幕で拒否された。
チンチロリンはギャンブルそのもので、一回ごとに現金がやり取りされる。
ここでも全員が札を握りしめて、ドンブリに投げ込まれるサイコロを注視している。
こうした場所は秘密性が高く、撮影できないことが多い。
そんな事情があったので、この撮影許可は意外だったのだ。
街へと進み、交差点にでる。
その角にある洋風のレストランに入る。
ここはスターバックスの食事版と言ったところ。
現地風の昼飯だと50バーツもあれば充分だが、こうした作りの店では5割増しと言ったところだろうか。
しかし、身なりの良い女性たちが、次々に入ってくる。
こうした風景を見ると、タイは明らかに生活水準が向上していると感じる。
夜行バスではよく眠れなかった。
午後、ホテルに戻り、ちょっと昼寝をする。
そして、日本へ電話をして、義母の無事を確認する。
このホテルは中級ホテルといわれているが、立地も良いし部屋も清潔で、しかも安い。
ここに連泊することにして、フロントで連泊したいというと、インターネットで予約を入れてくれという返事。
目の前にいるにもかかわらず、インターネットを経由してくれという。
ネットのほうが宿泊費が安いのだという。
ロビーへと移動して、パソコンの前に座る。
フロントマンの言葉に従ってネットで予約を入れると、フロントマンは満足そうに頷いた。
妙な時代である。
まだ時間が早いし、昼寝して元気も回復したので、また外出することにする。
地下鉄でサパーン・タークシンまで行き、そこからエキスプレスボートのサートーンまで歩く。
サートーンからはアトランティックまで無料の船が出ている。
これに乗る。アトランティックで夕食。
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