飛行機は定刻に飛び立ち、ハート・ヤイにも定刻に到着した。
ハート・ヤイの宿を決めていなかったので、インフォーメーションで紹介してもらおうとした。
しかし、パンフレットを手渡されて、この中から自分で決めろといわれる。
そこへ街へのタクシーの客引きが来る。
タクシーには乗らないでミニバスを探す。
無愛想な女の子が、１００バーツの切符を切ってくれ、１６番だと言った。

　このミニバスは各自のホテルまで送ってくれる。
しかし、ボクはまだホテルを決めていない。小さな街なので、ガイドブックには６つしかのっていない。
パンフレットも似たようなものだ。
その中から街の真ん中にある便利そうな場所のホテルを探す。
Sakura Grand View Hotel に決める。
日本の名前がついているのはビックリしたが、運転手はホテルの前まで何も言わずに案内してくれた。

　ハート・ヤイはタイ南部の中心になる街で、繁華街は駅の東側に広がっている。
地方の街なので大きな建物は数少なく、１５階建てのサクラ ホテルは２番目に大きな建物だった。
しかし、内装などは古く、従業員教育もイマイチ。
当然のこととしてサービスが今風ではない。

　宿代が１０００バーツで、先払いだという。
部屋も見せずに決めろという。
後から考えると、まだ明るかったので他を当たるべきだったが、いつの間にか１０００バーツを支払ってしまった。
明日はスラー・ターニーに行くので、スラー・ターニーのホテルを予約して欲しいと頼む。
すると、そういったサービスはやってないという。
コンシェルジュもおらず、街の旅行代理店にいけという。
ロビーを見まわしても、パソコンの姿も見えない。
そのうえパスポートを取り上げられてしまった。
このホテルはお薦めしません。

　荷物を部屋に置いて、街へとでる。

	ハート・ヤイの街角にて
	夕飯を食べたうどん屋さん
	伸しイカを売る屋台のおじさん

明日の宿を決めようと、旅行代理店を探す。
どこでも航空券や近隣へのバス旅行の手配などが主で、ホテルの手配はやっていない。
ふと見ると、Tune Hotel という真っ赤な建物から、若い人たちが大勢出てくる。
ロビーにはパソコンが見える。
フロントでホテルの予約を相談すると、パソコンを使えといってパスワードを書いたメモを渡してくれた。

　このパスワードでパソコンが３０分使えるのだ。
タイでもフリーwifi が普及している。
もはやアジア旅行でもパソコンは必携である。
サクラ ホテルにはフリーwifi はなかったが、いま時のホテルなら必ずあるようだ。
３０分もパソコンが使えれば、ホテルの予約を取るのには充分である。
パソコンに関してはスラー・ターニーのホテルで面白い体験をすることになる。

　次に鉄道の駅に行く。
街が小さいので移動は楽である。
スラー・ターニーへ行くのは、列車とバスがある。
ここでは列車を選んだのだが、後でこれは大きな間違いだったことがわかる。
とにかく駅でスラー・ターニー行きの切符を買う。

　窓口の男性にＩＤを見せろと言われ、パスポートはホテルだと答えても、なおＩＤを見せろという。
写真が貼ってあるものなら良いだろうと、苦し紛れに日本の運転免許証をみせる。
うーむ、ドライバー・ライセンスだなとかいって、日本の運転免許証でＯＫになってしまった。
日本語が読めないのに良いんだろうか。

　これで安心して、街の見物に出かけることができた。
街は小さいので歩いて回れる。
しかも、道路は碁盤の目のように走っているので、間違いようがない。
まず、北にある市場へといくが、まだ明るいのにすでに閉まっている。
夕闇の迫る街を南へと下ってくる。途中の食堂で夕食にする。

　近所の人や職人風の人たちが食べている。
歩道にもテーブルが出ているが、店内のテーブルに座る。
タイ風のうどん屋である。
まず、ビアー・シンをたのむ。
すると、彼女はしばらく消えたかと思うと、ビニールに入ったビールを手に登場。
近所の酒屋にビールを買いに行ったのだ。
街の食堂では酒類を置いてないことも多く、頼むと近所まで買いにいってくれるのが普通だ。
はやっている店だけあって麺は美味しい。

　ホテルへの帰り道で、不思議な食べ物を売っている屋台に遭遇した。
イカを干して平らにしたのをぶら下げている。
何だろうと思って買ってみる。
すると、注文を受けてからなお薄くするために、イカをロールにかけるのだ。
仕上がったイカは裂きイカのような状態になり、ほんのりと味付けがしてあるので珍味である。
それを食べながらホテルへと戻る。