ソイ33通りにでる。
すると、街には灯りがついているではないか。
他のホテルや店には照明がともっているのだ。
コンパクト・スクムヴィット・ホテルの受電設備が、雷雨でやられたのだろう。
アジアの旅では停電はよくあることだ。
しかし、バンコックのしかもそれなりのホテルが、受電設備の故障で停電とは驚いた。
前途多難を予感した。
悩ましげなソイ33通りはパスして、スクムヴィット通りにでる。
歩いてきた道の途中に、レストランがあったなと思いながら、ソイ・カウボーイのほうへと向かう。
手頃な食事場所がない。
また雨が降り出してきた。
傘を拾うが、傘が役にたたないほどの雨。
バス停の前でタイ人と並んで再度の雨宿り。
すでに日が暮れて、街はすっかり夜の佇まいである。
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左の人形と壁のあいだが食堂への入り口 |
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中は普通の食堂、左隅のビールが保冷カバー付き |
雨が上がったので、また歩き出す。
ボクの探しているのは、レストランではなく食堂なのだ。
スクムヴィット通りからソイ23通りへと曲がる。
面白い店を発見。
店先に食材が並べてあり、調理している姿は見えるが、客席が見えない。
厨房の脇から奥を見ると、レストランという看板が見える。
ちょっと勇気が必要だが、入ってみることにする。
地元の人が来る店のようだ。
何人か客もいる。
やれやれ普通の食堂のようだ。
しかし、何とも入りにくい店だ。
写真入りのメニューが登場。
まずビアーシンを頼む。
出てきたビールに、発泡スチロールのカバーがかかっている。
保冷のためらしい。
かつてタイ人はビールに氷を入れて飲んでいた。
ビールに氷を入れて飲むより、ビール瓶ごと冷やすほうが美味いに決まっている。
普通の食堂でも冷蔵庫が普及したのだろう。
タイ人の味覚も、随分と進歩したものだ。
辺りを見まわすと、白人男性とアジア人女性のカップルがいる。
ソイ・カウボーイが近いせいだろうか、お姉さんたちがお仕事に励んでいるに違いない。
メニューから3品頼んだ。
2品は美味しかったが、1品は辛くて食べることができなかった。
ホテルに帰ってみると、電気がついていた。
やれやれと安堵した。
安心してあたりを見てみると、それなりに清潔なホテルである。
ロビーから廊下への入り口には、ガラスの扉があり、カードを通さないと入れない。
さっきは停電でカードシステムがダウンしていたから、ガラスの扉に気がつかなかったのだ。
廊下も洒落た照明である。
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東南アジアでは格安航空が広く普及 |
明日はハート・ヤイへ行くので、飛行機の切符を手配してもらおうと、フロントの女性に頼む。
しかし、彼女はパスワードを書いたメモを手渡して、ロビーのパソコンを指さした。
そして、<Air Asia>という。
自分でインターネットで予約せよと言うことだ。
真新しいマックがデスクの上に鎮座している。
パスワードを入れると、ネットに入れる。
タイ語の画面ではなく、アルファベットで安心する。
何とか予約を確保。
<Air Asia>はスワンナプーナ飛行場ではなく、ドンムアン飛行場を使っているという。
勝手知ったるドンムアンと納得する。
プリンターがついていないので、このパソコンではEチケットの印刷ができない。
フロントの女性に声をかけると、プリントねと言ってUSBメモリースティックを持ってきた。
彼女はマックが苦手らしく、フロントのウインドウズ・マシンにデータを入れて、印刷したのだった。
マックは嫌いと言いながら、Eチケットを渡してくれた。
部屋に入ってみれば、ベッドメイキングも丁寧になされており、きわめて清潔である。
アメニティ・グッズも充実している。
バスタブがないので、シャワーを浴びて頭を洗う。
そして、無事にベッドに潜り込んだ。
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