タイ南部への旅行記
2013.12.−記
第1日目 ソイ33通り ホテルがない いい食堂を発見
第2日目 単独行の買春男性 盤上遊戯を発見 ドンムアンへ ハート・ヤイへ
第3日目 厳しいハート・ヤイ 大遅延の列車
第4日目 スラー・ターニー 猿の椰子の実取り 豪華深夜バス
第5日目 マンダリン 見えない盤上遊戯 見えたチンチロリン
第6日目 カンチャナブリー 戦場にかける橋 バスのスピード競争
第7日目 バンコックの王宮 盤上遊戯を発見 最後が失敗
第8日目 別離の朝 雨中居のトップに戻る


第1日目−1  ソイ33通り

 かつてバンコクへの入り口はドンムアン飛行場だった。
それが2006年にスワンナプーナ飛行場へとかわった。
ボクを乗せたタイ・エアーのジャンボ機は、定刻にスワンナプーナ飛行場に着いた。
ヘルムート・ヤーンの設計になるこの飛行場は、香港のチェクラップコク国際空港かと紛うばかりの近代的な佇まいだった。

 入国審査もアメリカと同じような写真撮影があるが、アメリカのように高圧的ではない。
入国審査官も優しい対応だし、何気ないうちに入国者の写真を撮っている。
しかし、写真撮影をしている表示がないのは、プライバシーへの配慮が足りないと言われても仕方ないだろう。

 税関も世界標準的なゆるい対応で、ほとんどフリーパスである。
成田のように全員を捕まえて、いちいち質問などしない。
税関をでると、銀行が並び、そこで換金する。
市内への連絡はバスやタクシーもあるが、飛行場の地下には電車の駅がある。


エアポート・レイルリンク(ARL)
マッカサン駅
雨宿り

 地下へと向かうスロープが格好良い。
スワンナプーナ飛行場からは、エアポート・レイルリンク(ARL)が市内への足を提供している。
ARLには各駅停車と急行があるらしいが、ボクの乗ったのは各駅停車だ。
香港のエアポート・エクスプレスと違って通勤電車という感じだった。
終点まで行かずに、マッカサン駅で降りる。

 マッカサン駅は金属を多用した近代的な作りで、空中駅といった感じである。
高架下の道を地下鉄のペッチャブリー駅へと向かう。
ほんとうはマッカサン駅とペッチャブリー駅は、空中廊下でつながっているのだが、まちがって地上に降りてしまったのだ。
タクシーの客引きを断りながら、人通りの少ない道をズンズンと歩く。
アソーク・モントリー通りにでると、ペッチャブリー駅は目の前にあった。

 今夜のホテルを目指す。
今夜のホテルは、日本からインターネットで予約してきた。
スワンナプーナ飛行場が初めてだったので、初日だけは予約を入れてきたのだ。
30分も歩けばつくだろうと右に折れて、スクムヴィット通りを目指した。
アソーク・モントリー通りを南へと向かう。

 久しぶりのバンコックは、恐れていたほどの喧噪ではなかったが、やはりバンコックである。
バイク・タクシーが走り回り、埃っぽい風景である。
看板にはタイ語や英語に混じって、日本語がチラホラみえる。
しかし、ポツリポツリと雨が降り始めた。
まだ雨期が開けていない。
南国の雨はたちまち土砂降りとなる。
あわてて工事中の建物の軒先へと避難する。
すぐ止むだろうと雨を見る。

 30分も雨宿りしていただろうか。
雨はほとんど上がったので歩き出す。
だいぶ歩いた感じだが、まだ距離感が掴めない。
地図上での距離がなかなか進まない。
それでも「ソイ・カウボーイ」への入り口の前を通過し、スクムヴィット通りにでる。
ターミナル21という建物が見える。
スクムヴィット通りとアソーク・モントリー通りの交差点を左折する。

 スクムヴィット通りは広い通りで、道路の上にはスカイ・トレイン(BTS)が走っている。
中央分離帯で区画された道路は、片側3車線あり、引っ切りなしにバスが走っている。
窓のないバスには、車体全体に広告が描かれている。
窓がないので驚いたが、車内からは外が見えるのだ。

平穏な朝のソイ33通り

この仕掛けはBTSも同じで後述する。


 やっとスクムヴィット、ソイ33通りに到着。
ここがネットで予約を入れたコンパクト・スクムヴィット・ホテルのある場所なのだ。
やれやれとソイ33通りに入る。
ところが、どうも怪しげな雰囲気である。
道の両側には日本語の看板が多く、料理店やマッサージという看板が目白押しである。
しかも、入り口には綺麗な女の人が立っている。
何となく歌舞伎町のような感じである。

 パッポンやソイ・カウボーイはその世界で有名だからボクも知っているが、後で聞けばスクムヴィット、ソイ33通りも有名だったらしい。
泊まるべきホテルがこんな場所にあるとは、いささか不安になってくる。
ネットでよく調べるべきだった、と後悔してももう遅い。
しかし、もっと重大な問題が発生した。
予約したコンパクト・スクムヴィット・ホテルが、なかなか見つからないのだ。

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