1995年頃には東南アジアの各地で、将棋やダームといった論理的な盤上遊戯がくり広げられていた。
ボクはそのシーンから、近代化へのプレリュードは<論理的な遊びの普及>である、という仮説を立ててきた。
1999年にベトナムを旅行したときには、ベトナム全土で中国将棋が遊ばれていた。
そして、2011年にベトナムを再訪したときには、ベトナムの近代化も確実に端緒についたのか、将棋熱はずいぶんと下火になっていたが、それでも多くの男たちが中国将棋に熱中していた。
おそらく近代化が初期の段階をすぎ、庶民層へと浸透したのではないかと思っていた。
東南アジアの中心であり、もっとも近代化の進んだタイはどうだろうか。
今回のタイ旅行は、近代化へのエートスを探って路上を彷徨うというものだ。
その疑問に答えを探して、まずはバンコクへと向かったのだ。
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