第３日目
車窓が明るくなると、朝食の車内販売がやってくる。
さすがに朝食は食べないようにする。
いかにもの田舎の風景が続き、なぜか墓地がたくさん見える。
列車が鈍いので車窓から家のなかも見えて、農家の生活が忍ばれる。
家の中は素足らしく、部屋の前には土足が並んでいる。
すでにテレビも普及しているようだ。
フエには定刻１０時３９分に到着。
ハノイよりずっと田舎の感じがする。
駅前ではバイク・タクシーやシクロが客引きに余念がない。
街へ向かって歩くボクに、ホテルの客引きが１人、しつこく付いてくる。
外壁に丸太を縦に並べた奇妙な建物が右手に見える。
これは何だと彼に聞くと、グリーン・ホテルといって４つ星だという。
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| パンク直し屋さんの道具一式 |
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| 国旗掲揚台 |
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ガラス張りの建物に、ベトナム・エアーラインの看板が見えた。
小さな建物だが、全面ガラス張りで、フエでは異常に近代的に見える。
向かって右がベトナム・エアーラインの事務所、左がホテルの案内所である。
カウンターだけの室内で、ベトナム・エアーラインには２人の男性事務員が、ホテルの案内所には２人の女性事務員がいる。
フエからサイゴンへは飛行機で行こうと考えていたので、ここで切符を買うことにする。
しかし、フエの飛行場は改装のため、閉鎖中だというではないか。
改装のため閉鎖だって！！！
悪天候や事故ではなく、飛行場が閉鎖されるなんて考えても見なかった。
開いた口がふさがらなかった。
フエからサイゴンまで列車で行くと、丸一日近くかかるので、ちょっと辛い。
それではダナンまでバスで行って、ダナンからサイゴンへと飛行機で行くことにした。
ベトナムは鉄道や道路が悪いので、航空機は発達している。
ダナンからサイゴンへは、１日１０便くらい飛んでいる。
２時３０分発の飛行機を予約する。
フエを朝のバスで出発すれば、昼までにはダナンに着くだろう。
時間があれば、ダナン市内も見たいと思う。
ということで、飛行機を予約したのだが、こちらの連絡先を教えろという。
まだホテルも決めていないと言うと、ネットのアドレスでも良いという。
Gmail のアドレスを教える。
ネットについては、いろいろ考えさせられたので、後でまとめて書いておく。
ホテルの話が出ていると、隣の事務所に行った男性が、後ろのグリーン・ホテルの料金を知らせてくれる。
５５ドルだという。
笑いながら表に出て、市内に向かって歩き始める。
列車で来る利点は、駅と市内が近いことだ。
だから市内まで歩ける。飛行場から市内まで歩くというわけにはいかない。
自転車やオートバイのパンク直し屋さんが、歩道で昼寝をしている。
本当に簡単な道具だけで、生計を立てている。
フエには旧市街といった密集区域はなく、フォーン河を隔てて王宮と市街地に分かれている。
ホテルのある市街地をめざすが、アッという間に市街地に入ってしまった。
インペリアルという５つ星のホテルの前に差しかかる。
もちろんインペリアルには用はない。
と、その前にGoogle Hotel がある。
Google という名前が、いかにも西洋人を意識している。
開放的なロビーで、建物も新しい。
ここで値段を聞いてみる。
１５ドルだというので、部屋を見せてもらう。
２階の部屋は、窓の外がすぐ隣の建物の壁である。
見晴らせる部屋はないかと聞くと、３階に案内してくれた。
広い部屋で、ベッドが３台おいてある。
パソコンはなく、シャワーだけだが、清潔なのでＯＫとする。
ロビーのパソコンは無料で使えるという。
チェックインするとすぐに、２ドルで自転車を借りて、街へ乗りだす。
近くの食堂で昼ご飯を食べるが、あまり美味しくなかった。
フエは小さな街だし、行き先も限られている。
平坦なので自転車が便利である。
まず第一番に、阮朝王宮に向かう。
日差しが強いなかを、橋を渡って進む。
王宮門の前には、有料の駐輪場がある。
自転車を乗り入れると、サドルにチョークで数字を書いている。
これを日本でやったら、客は文句を言うだろうなと思いながら停める。
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