初老人たちの台中旅行
2011.3.23−記
第1日目 台北に到着 台中に到着
第2日目 鹿港へ遊ぶ 鹿港の市内探検
第3日目 建国市場から市内へ
第4日目 台鐵で台北へ 雨中居のトップに戻る


第1日目−1   台北に到着  

 ソウル、香港と続いてきた、初老人たちの春の旅行も、今回で3回目である。
メンバーの多くにとって台湾はすでに訪問済みだが、台中には行ったことがない。
そこで、今回は台中に行くことになった。
老人見習い5人は、2月20日の日曜日、朝の8時に羽田空港に集合した。

 モノレールは急激に左に曲がって、国際線ビルに到着した。
新装なった羽田空港は、一番手前が国際線のビルである。
隅から隅までピカピカで、いかにも最新の日本建築である。
エバー航空のBR189便、10時45分発台北の松山空港行きにチェックイン。
松山空港には13時30分着である。

 満席のA330は、長いタクシングを続けて、東京湾上の滑走路にでる。
まわりは海で、ちょっと不思議な気分。
定刻に飛び立つ。
客室乗務員のユニフォームはダサイが、食事は美味しい。
ビール、ワインは無料。
ウィスキーはない。
ワインはミニ・ボトルではなく、グラスへ注いでくれるから、お代わりを頼むのには、客室乗務員を呼ばなければならない。
ちょっと不便である。

 台北到着。
松山空港は羽田と同じで、台北の市街地に近い。
そのため新たに国際空港ができた。
それは市街地から遠く、1時間もかかるらしい。
松山空港は小さくて古いけど、今でも国際空港として使われている。
台湾とは1時間遅れの時差がある。

松山飛行場

松山空港では何の問題もなく入国、そして通関。
ふと壁の時計をみると、なんとこれがローレックスのマークが入っている。
セイコウやシチズンではないところに、妙な感じがする。

 今回の旅では、松山飛行場から新幹線の台中駅まで、台北市内を移動しなければならない。
この連絡的移動と新幹線には些かの危惧があった。
なぜって、飛行場から新幹線の駅までをしっかり把握してなかったのだ。
そして、新幹線のダイヤも判らなかった。
ネットで調べたのだけれど、中国語の英語表記が分からず挫折してしまったのだ。

 しかし、心配は無用だった。
通関後に空港のロビーにでると、「日本語でどうぞ」とかかれたジャンパーを着た人が何人もいる。
案内のボランティアらしい。
男女2人組みのボランティアたちが、とても親切に案内してくれる。
新幹線の乗り場を聞いただけなのに、地下に乗り入れている地下鉄の駅まで連れて行ってくれた。
そして、「高鐵」と書いたメモを手渡してくれた。
ちなみに在来線は「台鐵」という。
そのメモを見せれば、新幹線の駅まで辿り着けるというのだ。
あまりの親切に、一同は感激。
日本人らしくペコペコと頭を下げる。

 地下鉄は松山空港駅から新幹線の台中駅へ直行しておらず、別の地下鉄に乗りかえなければならない。
地下鉄に乗ったら、若い女性から日本人かと日本語で聞かれる。
そうだと応えると、彼女は大学で日本語を学び、今は日本の商社で働いているという。
新幹線に乗りたいというと、乗換駅で一緒に降りて、この線に乗れと指示してくれる。
これまた感激。
老人見習い5組は、多いに感謝で、台北に入ったのだった。

 新幹線の窓口は、当日券売りと予約のカウンターが分かれている。
漢字圏はありがたい。
書かれている文字がただちに理解できる。
カウンターの前には鉄製の手摺りが設置されており、お客はパチンコの玉のようにクネクネと曲がりながら、カウンターに近づいていく仕組みである。
先頭に立つと電光掲示板が数字を示すので、表示された数字の窓口へと向かうという仕掛けである。

 ガラス張りのカウンターの向こうには、女性の駅員が座り、電光掲示板のダイヤが掲載されている。
時間的な余裕を見て、20分先に出発の3時発の切符を買う。
支払いはクレジットカーでOK。何と便利なのだ。
700元と書かれたオレンジ色のカードが5枚手渡される。

 各自1枚ずつもって、改札口へと移動。
カードを改札機へ入れるのだが、これが弾かれてしまい、無事に入ってくれない。
何度か挑戦するがダメ。
すると後ろの人が、カードの向きを裏返して入れるのだ、と教えてくれる。
分かってみれば、何ということはないが、ちょっと戸惑う。
列車はすでに入線しており、すべて座席指定だから、一番前の1号車へと歩く。

台湾の新幹線
 予約は不要じゃないかと思えるほど、2号車まではガラガラである。
1号車にはお客がおり、付近の座席は半分くらい埋まっている。
ボクのシートは8Eである。
車内販売のお兄さんが来る。
荷物の置き場を聞こうとしただけで、あらよっとばかりに荷棚に上げてくれた。
実に親切。
やがて列車は音もなくホームを離れ始めた。
車内放送がないのは、日本と違うところである。

 列車はしばらく地下を走る。
5分以上も走ったろうか、やっと地上にでて明るくなった。
車窓はビルが見えて、我が国とあまり変わらない風景が広がる。
おや! マンションの窓に鉄格子が入っている。
1階や2階なら、防犯と言うことも考えられるが、5〜6階にも鉄格子が入っているのは、何のためなのだろうか。
 
 次の板橋駅には、10分くらいで到着。
人が乗ってくる。
なるほど、だんだんと席が埋まっていくのだな、と納得である。
車窓に田圃が見えるようになると、次の桃園駅に着いた。
この桃園が新しい国際空港のあるところらしく、どっと人が乗り込んできた。

 台北から3つ目の新竹駅と、4つ目の苗栗駅までは駅間が短く、走っても直ぐ停車する感じである。
しかし、苗栗駅をでるとしばらく田園地帯を走り、なかなか停まらなくなった。
台北をでて約1時間で、目的の台中に到着。
いかにも新幹線の駅といった新しさで、田圃の真ん中に真新しいホームが建っている。
さすがに台中駅もバリアーフリーである。
エレベーターで2階の改札階へと降りる。
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