アンコール・ワットへ
2010.12.16−記
第1日目 シュムリアップまで ナイト マーケット
第2日目 アンコール・ワットへ アンコール・ワットの中へ
第3日目 昼食と市場と影絵
第4日目 アンコール・トム
第5日目 ロリュオス遺跡 西バライと民俗文化村
第6日目 再度、アンコール・ワットへ 雨中居のトップに戻る


第5日目−1   ロリュオス遺跡  

 サマイは9時に迎えにくる。
国道6号線を東へと、ロリュオス遺跡に向かう。
この遺跡は、市街地から少し離れており、トクトクは田園地帯を軽快に走っていく。
ゴルフ場入り口などがある。
こんなに貧乏な途上国でも、ゴルフをやる奴がいるんだな、と感心する。

 ロリュオス遺跡には、プリアコー、バコンと、国道を隔てたロレイの3ヶ所がある。
遺跡のことはよく判らないボクだが、プリアコー、バコンは良かった。
この遺跡は、王様と后の墓らしく、棺桶が入っているという。
他の遺跡と違って、赤い石が使われている。

 すでに摩滅が著しくて、石の角がみな丸くなっている。
遺跡は小さいながらも、緊張感のあふれる形で、静かに立っている。
団体のバスがいってしまうと、観光客もまばらで、暑さが戻ってくる。
そのなかを1人の白人女性が歩いている。
白いTシャツにコットンのパンツで、美しいスタイルを惜しげもなく太陽に晒している。
30代半ばだろうか。

精神性を感じさせるプリアコー遺跡
 プリアコー遺跡の前には、土産物をつくっている工房がある。
子供から大人まで、石細工や木工作に余念がない。
石は仏像などのコピーをつくっている。
子供たちがノミを手に、コツコツと叩いている。
これで生計がたつのだろうか。何とも長閑な風景である。

 木工作は、まずノコギリで材木を切り裂く。
木の塊を小さくするのだが、繊維にそって割るのではない。
あくまでノコギリで切るのだ。
ノコギリは弓張り式で、押して切るタイプだ。
ベトナムも押し切り型だったから、東南アジアでは、押し切り型のほうが優勢らしい。
カンナもあった。
取っ手がついているが、木台に刃を仕込んだもので、我が国のカンナと似ている。

 バコン遺跡は、やや大きい。
手前から見始めて、そのまま裏へと抜ける。
トクトクなどは裏へと先回りしてくれるのだ。
遺跡からトクトクの待つ広場まで歩く。
途中でアリランが聞こえてくる。

 地雷で脚をやられて人たちが、民俗楽器を奏でて、喜捨を乞うている。
韓国人達が来たので、アリランを演奏しているのだ。
日本人が来ると、日本の曲へと変わる。
エンターテインメントとの真髄を見せられる。
1ドル喜捨。

 トクトクに乗って、国道の反対側にあるロレイ遺跡へと向かう。
すると、そこにプリアコーでみた白人女性が、1人でトクトクに乗っている。
すでに遺跡の見物は終わったようで、トクトクの運転手に先に行くように指示をして、自分は歩き始めた。
旅慣れた風情だ。

 美しい白人女性が、稲穂の実ったアジアの細い道を、1人で歩いている。
小さな顔に、髪の毛をすべて後ろへ束ねてため、小さな顔が余計に強調されている。
白いTシャツが、ふくよかな胸を包んでいる。
白人特有の大きなお尻。
まるで映画に出てくるような風景で、じつに様になる。
残念ながら、日本人女性が1人で歩いても、あれだけの絵にはならない。

 ロレイ遺跡は、僧侶達が生活している。
そのために、近所に生活が見える。
昼食時になったらしく、床に食事が並べ始められた。
僧院だが、女性が食事の準備をしている。
僧院の人と目が合うと、どちらともなくにっこりと笑う。
優しいアジア人女性の笑い顔だ。

 遺跡を見終わると、ボクたちも食事である。
オールド・マーケットまで行こう。
クメール・キッチンで食事にする。
1人1皿で、各3ドル。
ビールやコーヒーを飲んで、合計16ドルである。
お目付役が、単独行動したいとのたまう。
それに従い、ここで1時間ほど自由時間とし、グラン・カフェの前で集合とする。
ボクもオールド・マーケットをふらつく。
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