朝食が済むと、サマイのトクトクが来ている。
今日から3日間、トクトクを借り切りたいのだが、3日30ドルでどうだという。
アンコール・ワット付近だけならOKだが、郊外に出るには35ドルにしてくれという。
昼飯を奢るからと、それを33ドルに値切って、交渉が成立した。
アンコール・トムに向かう。
今日は国道6号線を、反対方向に走り出す。
飛行場の前をとおって、のどかな田園地帯をすすむ。
遺跡入場のチケット・チェックポイントにさしかかる。
1日券しか買っていなかったので、また、チケット発行所へと向かう。
今度は3日券を買う。
これも写真入りで、40ドルである。
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荒れ果てたアンコールトム |
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アンコールトムは修理中 |
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アンコール・トムは広い。
アンコール・トムの内部は中央にバイヨン寺院、そのバイヨン寺院の北に王宮やテラスなどの遺跡群がある。
外周の城壁は、3キロ四方もあろうか。
アンコール・ワットに面した南大門から入る。
城壁の内部に入っても、遺跡は見えない。
見えるのは電気自動車や、客待ちのトクトクなどである。
韓国客を乗せる象もいた。
そこは木立がつらなり、外部と変わらない風景である。
南大門を通るときには、トクトクを降りて歩いたが、すぐにサマイが迎えに来てくれる。
やがて、バイヨン寺院がみてえくる。
あちこちが修復中で、地道な作業がつづいている。
ドイツ、フランス、そして日本も修復に協力しているようだ。
協力していますと言う看板が掛かっている。
サマイを遺跡の前に残して、多くの観光客とともに遺跡の中を歩く。
どこを見ても、石だらけ。
遺跡に詳しい人には、よく判るのだろうが、よく判らないボクにはやや退屈である。
王のテラスをでると、もうそこは林の中。
観光客も四散して、中国人らしきカップルだけ。
やがてボクのまわりには、誰もいなくなってしまった。
心細くなりながらも、林の中を歩き続ける。
井戸のそばで身体を洗っている男性がいる。
石鹸のついた身体に、何度も水をかぶっている。
30度以上あるので、水をかぶっても、まったく寒くはない。
むしろ気持ちいいだろう。小さな子供が、絵はがきを持って寄ってくる。
1ドルだよ、買わない?という。
広場のほうにでる。
土産物屋や食堂が並んでおり、多くのトクトクがまっている。
太ったオバサンが、さかんに食事をすすめる。
どうやらここで、昼食だろう。
ここはサマイと一緒でもOKである。
ビールにチャーハンと簡単な食事にする。
近くでは、サルの親子が遊んでいる。
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お尻が色っぽい仏様 |
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アンコール・トム内のお寺 |
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昼食後は、王のテラスの前にある遺跡から歩き始める。
すでに崩れたと言ったほうが良いくらいに、小規模になった遺跡を乗りこえてすすむ。
すると、僧侶達の住む家であろうか、人の気配がする。
高床式の家と、小さな物の並んだ小屋がある。
ここまでは観光客も来ないらしく、静かな佇まいである。
アジアの僧たちは、じつに日常に馴染んでいる。
となりを観光客が歩こうが、ほとんど関係ない。
たんたんと修行生活を営んでいるのだ。
ちょっと観光客から離れていれば、彼等の日常に喧噪が混じり込むことはない。
仏道修行というのが、ほんとうに個人の心の中のことだと知る。
周囲の様子など、修行者にはどうでも良いことのなのだ。
林の中を歩いて、大きな仏様の前をすぎ、道路に出る。
サマイがトクトクをまわしてくれる。
また、トクトクに乗って、次の遺跡に向かう。
鬱蒼とそびえたつ木々のあいだを、トクトクは進む。
なんだか頭上から、リーンという音が降り注ぐ。
どうも気のせいではない。どんどん音が大きくなる。
ライチィの木がたてる音なのだそうだ。
タプローム寺院まで行く。
ここも見たけど、何となく印象が薄い。
日差しが強くて、お目付役は疲れ気味。
また、ホテルに戻ることにする。
夕方まで、プールでノンビリする。
6時半に、サマイが迎えに来てくれる。
今夜はカンボジアン・ダンスである。
大きなレストランで、大型バスが団体さんをつれてくる。
食事をしながら、ダンスを見るという趣向は、影絵と同じである。
サマイが予約を入れてくれた。
しかし、案内された席は、舞台からはるかに遠くである。
予約を入れたのだから、もっと舞台に近い席にして欲しいというと、ぐっと近い席に案内してくれた。
やはり、大型の団体さんが優先のようだ。
ビュッフェ・スタイルで、お酒別で1人12ドルである。
ワイン・リストが来る。
15ドルのワインを頼むと、あいにくと品切れだという。
同じ値段にするから、こちらではどうかという。
どうせ、ワインなんて判らないのだから、難しいことはいわずにOKの返事。
しかし、全体にサービスは悪い。
カンボジアン・ダンスはノンビリしたもので、現代のリズムを知った者には、いささか物足りない。
ドジョウ掬いかと思ったら、宝石を捜す仕種だった。
指を反らせる特有の動き。女性達はそれなりに上手いが、男性達はアルバイトだろう。
ポルポトの時代に、ダンサーが粛正されてしまったのだとか。
ダンスはわりと短時間で終わってしまった。
そのあとで、ナイト・マーケットを経由して、ホテルに帰った。
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