目が覚めると、中庭のプールに人がいる。
ホテルのプールで、スイミング・キャップにゴーグルというスタイルである。
気合いが入っているようだ。
しかし、ヒョウタン型のプールで、しかも15メートルあるかないかというサイズである。
ちょっとオーバーな出で立ちじゃないですか、と思いながら風呂にはいる。
朝食ということになった。
いつもなら街で食べるのだが、お目付役がホテルの朝食が良いと宣わく。
ロビーの反対側にあるレストランへと行く。
ビュッフェ・スタイルの朝食で、中央にぐるっとカウンターが並び、いろいろと並んでいる。
もちろんパンもあるし、ベトナム風のうどんもある。
卵も焼いてくれる。
パイナップル、ココナツ、オレンジなどのジュースもある。
コーヒー、紅茶、果物など一応のものがそろっている。
朝食代は宿泊料に含まれている。
前から気になっていたのだが、このホテルには韓国人の団体さんが多い。
いやこのホテルだけではない。
ホーチミン・シティの飛行場でも、シュムリアップ行きの韓国人が多かった。
とりわけ中年の女性達が目立つ。
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パンチパーマの韓国女性たち |
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彼女たちは、全員がダルマさんのようなパンチパーマで、派手な上着にタイツのようスパッツ姿である。
そして、きまって肩ガケのバックを斜めにかけている。
食堂でもどうどうと闊歩しているし、ロビーでも彼女たちの存在感はなかなかのものがある。
何人かでソファに座り、あぐらをかいている。
横になってくつろいでいる女性もいる。
その隣のソファには、彼女たちの連れあいだろう。
男女別に行動するところは、我が国のオジサン・オバサンと同じである。
それにしても、パワフルな韓国人達だ。
やがて彼女たちを迎えにバスが来た。
北朝鮮放送のような韓国語が響いたと思ったら、ご一同様はバスへと乗り込んでいった。
食事も終わった我々も、ホテルを出て、アンコール・ワットを目指すことにする。
歩いていくにはちょっと遠い。
ホテルを出るとたちまち、トクトクの客引きが寄ってくる。
今日はトクトクを1日借り切ったほうが良いだろうと思う。
しかし、そんな気配は見せずに、まずアンコール・ワット往復の交渉である。
片道5ドルでどうだ、という。
しかし、彼等は帰りはどうするのだ。
向こうではトクトクは拾えないぞ、とプレッシャーをかけてくる。
それならと、1日10ドルで貸し切るといっても、なかなかウンと言わない。
12ドルとか、13ドルといっている。
若い運転手が、といっても28歳だと後でわかったが、10ドルでOKという。
では、いざ出発である。
このホテルにいるかぎり、国道6号線を必ずとおる。
今回も国道6号線を、まず街のほうへと向かう。
昨日の道の途中で、今度は左に曲がる。
今日も天気がいい。
毎日毎日晴れ、晴れ、晴れだから、南国では天気の話などでないだろう。
両側は緑の田圃が広がっている。
トクトクは軽快にアンコール・ワットをめざす。
道は舗装されている。
両側に建物が並ぶ街にはいる。
そこには止まらずに、なおも直進する。
今度は森が見えてきた。
舗装された道路は、木々のあいだを進むようになった。
やがて、右に折れて料金所のような処にはいる。
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アンコールワットの一部 |
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アンコール・ワットに入るには、入場券を買う必要がある。
1日券が20ドル、3日券が40どる、7日券が60ドルである。
この入場券は面白い。
売り場の前に立つと、小さな丸い機械が棒の先についている。
その端にレンズのようなものが見える。
レンズを見よと案内の女性がいう。
すると、顔写真付きの入場券が発行されるのだ。
ハイ、チーズ。
とりあえず1日券を買う。
再びトクトクに乗り、アンコール・ワットをめざす。
森が切りひらかれると、正面に掘りが見えてきた。
水がはられて、その向こうには森が見える。
どうやら、あれがアンコール・ワットらしい。
堀に沿って、右折していくと、アンコール・ワットの正面にでる。
観光バスやタクシー、トクトクなどがたくさん並んでいる。
トクトクの運転手の名前を聞く。
サマイという。
彼にお昼ご飯をおごる約束をして、この広場でトクトクの運転手と別れる。
彼は昼頃また迎えに来てくれるのだ。
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