荷物をおくと、さっそく街へ出ることにする。
ホテルの外には、東南アジアの例にもれず、トクトクがたむろしている。
ここのトクトクは、カブにリヤカーのような客席を引かせている。
対面すれば4人は乗れるが、基本的には2人乗りだろう。
トクトクの客引きを、とりあえず断って、街をめざして歩き始める。
しばらく歩くと、次々にホテルが建ちならんでいる様子に驚く。
工事中の建物もある。
ホテルの前では、必ずトクトクの客引きに会う。
しかし、街はずいぶんと遠そうだ。
歩いても風景が変わらない。
やがて、お目付役のご機嫌が斜めになってきた。
乗り物で街に行きたいという。
そこで街の最大の観光スポットであるナイト・マーケットまで、トクトクで行くことにする。
最初のトクトクは5ドルという。
クビを横に振って、歩き続ける。
すると追いすがってきて、いくらなら良いかという。
2ドルと返事をすると、そんな安くはいけないという。
それじゃ、いらない、と、また歩き出す。
あわてて、2ドルでOKとなって、トクトクの客になった。
すでに夜のとばりが降りて、あたりは暗くなり始めた。
国道6号線から右に曲がって左に曲がり、もう一度右に曲がって、15分ほどでナイト・マーケットに着く。
まず、街の様子を知るために、中心街を歩く。
すると、面白いものが目に入った。
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小魚が脚をついばむ<Fish Massage> |
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透明のアクリル板でかこわれた水槽に、小さな魚がたくさんはいっている。
水槽の周囲は、ベンチのようになっていて、人が座れるようになっている。
<Fish Massage>と書いてある。
その水槽へ素足を入れると、魚が脚をついばんでくれるのだ。
それが気持ちいいのだという。
白人の女の子が、冷やかしている。
右手にはナイト・マーケットがあるが、まず直進する。
左手に屋台などが見えてきた。
そのなかに進んでみる。
アジアの屋台村特有の雰囲気。
大勢の白人観光客が、ゆったりと食事をしている。
アジア人はあまり見あたらない。
店を眺めながら、ぶらぶらと歩く。
われわれも夕食を食べなければならない。
Red Pianoというのが、有名店らしい。
この店の前は、大勢の人が行き交っている。
道の両側には、客待ちのトクトクも多い。
そのまえにビニールシートの屋根が張られた店がならんでいる。
その屋台のうちの1軒にはいって、生ビールを頼む。
しかし、ビン・ビールしかないという返事。
ハエがたくさん飛びかっている。
生ビールがないので、他に行くことにする。
他の屋台に行って、生ビールを頼むも、ないという返事。
生ビールの看板が出ているのは、Red Pianoのようにきちんと店を構えている処だけらしい。
仕方なしに、ビン・ビールで我慢することにした。
野菜炒めのような料理を頼む。
油がべっとりで、美味くない。
シュムリアップの第1食目が、これでは先が思いやられた。
カンボジアは料理がまずいのだろうか。
心配になった。
道路に面したテーブルには、1ドルくれと、物貰いが寄ってくる。
そんな中、何とか食事を終える。
トクトクを降りた場所まで戻り、反対側に入っていく。
車が1台通れるくらいの、凸凹した道をすすむ。
照明はやや暗いが、じゅうぶんに路面は見えるし、顔もはっきりとわかる。
その先にナイト・マーケットがあった。
1軒が4×4メートルくらいだろうか。
小さな店がたくさん並んでおり、必死の呼び込みの店と、のんびりした店がある。
まだ土産を買うには早い。
ブラブラ歩く。
そろそろホテルに戻る時間である。
また、表に出てトクトクと交渉する。
2〜3人の運転手が集まり、4ドルだ5ドルだという。
しかし、2ドルの指し値。
渋っていたが、若い運転手がOKをだす。
来た道を戻ってホテル着。
この町は道路が碁盤の目のようで、実に判りやすい。ということで、第1日目は眠りに落ちた。
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