香港再々訪
2010.3.10−記
第1日目 香港まで ペニンスラでワインを
第2日目 トラムの香港島 旺角と女人街
第3日目 飲茶後、ビクトリアピークへ 骨董街から高級中華へ
第4日目 最終日 雨中居のトップに戻る


第3日目−2   骨董街から高級中華へ  

 ケーブルカーに乗ろうと、並んでいる人たちだが、ケーブルカーが到着すると列を乱して割り込もうとする。
地下鉄では列を乱さなかった香港人が、どうしたことだろうか。
先進国の人は割り込まないのに、途上国からの人だろうかと、ちょっと怪訝に思う。
後ろ向きに座ったまま、ケーブルカーが降りていく。
不思議な感じ。

 ケーブルカーに乗ったところへ戻ってきた。
乗り場には大勢に人が密集している。
ビクトリア・ピークは、夜景が素晴らしいのでも有名で、100万ドルの夜景といわれた。
そのため、夜にかけて、ビクトリア・ピークに登る人も多いらしい。

 ケーブルカーの駅前から、タクシーにに乗って、骨董街へと向かう。
香港のタクシーは、定員が前のバンパーに書いてある。
タクシーは圧倒的にクラウンのクルーで、トヨタの独壇場である。
ということで5人定員だから、全員が1台にのりこむ。

 骨董街で下車。
あたりは高級な骨董品が並ぶ、青山の骨董通りのような感じ。
ちょっとお呼びじゃない。
ボクたちがめざすのは、ガラクタの骨董品なのだ。
しかし、めざすガラクタ骨董街が見つからない。
ぶらぶらと歩いていると、細い路地が骨董街の入り口だとわかる。
裏側から来たので、判りにくかったのだ。

 500メートルくらいだろうか、屋台やら小さな店やら、ガラクタを売る店が並んでいる。
こうした店が楽しいのだ。
たいがいの商品には、値札が付いており、根切り交渉は簡単である。
ふつうのガラクタ市は、値札が付いていないから、最初に口火を切るのがたいへん。
うっかり高い値段で交渉をはじめると、高いままでなかなか下がらない。
下がっても、結局高い物を買わされる羽目になる。
ここは楽である。

 瀬戸物の箸を買おうと、交渉をはじめる。
最初の店では、2本1人前で、10香港ドルという。
次の店に行ったら、8本、4人前で、30香港ドルという。
高いというと、25香港ドルに下げた。
「あなたは何て美人なんだ」といったら、20香港ドルになった。
お互いににやりと笑って、交渉成立である。

 毛沢東グッズがキッチュで面白いけど、買っても使うアテがないので見るだけである。
夜店のような楽しさで、何軒かの店を冷やかして歩く。
ノミの市はどこにでもある。
赤いお札に、金文字を書く人がいて、お金がたくさん入ってくるように呪文を書いてくれる。
外国人観光客も多く、ガラクタに興味がある人には、楽しい場所である。
近所のお茶屋さんによって、お茶をご馳走になりながら、少しだけ花茶を買った。

 地下鉄で尖沙咀(チィムシャッツィ)へもどる。
尖沙咀駅はもう慣れたものだ。
迷うことなくD1の出口へと向かう。
さて、最終日の夕食、何を食べようか。
コンテストで賞を取ったという、高級な店を選んだ。

 ロイヤル・ガーデン・ホテルの地下にある帝苑酒家にいく。
尖沙咀のはずれにあるから、歩いていくことにする。
夜のとばりも降りて、あたりはすでに真っ暗である。
華やかなネオンが、路上近くまで輝いて、いかにも香港らしい。

 ホテルの中は、大きな吹き抜けがアトリウムのように広がり、高級感をただよわせている。
エスカレーターで地下へ降りるが、吹き抜けのせいで地下という圧迫感がない。
橋を渡って、テーブルへと案内される。
ボーイさんの英語にひどい訛りがあり、聞き取りにくい。
それに、彼には食卓を盛り上げようという意気込みが感じられない。
中華料理は<何食うあるか?>でいいのだが、これだけの店になったら、サービスを考えて欲しい。
広東料理だが、料理の出が遅く、イマイチ感動しなかった。

 ホテルのトイレには、年老いたボーイさんがいた。
用を済ませて、手を洗おうとすると、水を流してくれるし、ハンドタオルを手渡してくれる。
渾身でつくった笑顔が良い。
こうしたサービスは、もう消えていく運命にある。
気持ちよく、2香港ドルの硬貨を手渡す。

 そのあと、男人街へと向かう。
昨日、女人街へ行ったから、今度は、男人街というわけだ。
特別に買うものもないし、夜店を冷やかして歩くだけ。
150香港ドルのチャイナ服に、袖を通してみた。
70香港ドルにまけろといったら、あっという間に引きはがされてしまった。
あまりに安い値段を言ったので、よほど腹に据えかねたのだろう。

 男人街と尖沙咀のあいだには、大きな九龍公園がある。
ふつうは九龍公園の東側を走るネーザンロードを下るのだが、西側を歩いてみた。
九龍駅からの道にでて、シャトルバスの通り道にしたがって、ホテルへ戻ることになった。
すでに門の閉まった中学校の前をとおったり、海の音が聞こえるそばまで行ったり、だいぶ遠回りをして帰ってきた。

 今回の旅行は、夜遅くまで歩きまわっている。
年寄りは早く寝るべきなのに、いつも午前様になって、ホテルへ帰る。
しかも、歩いて帰ってくる。
香港は夜が遅い。
いつまでも店が開いている。
香港は治安が良いから、深夜になっても歩いていられるのだ。
それに5人という老人パワーもあるかもしれないな。

 海城街の前に出てしまったので、またもや地下道である。
夜遅いのに、地下道には1人の物乞う人が立っていた。
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