朝、目が覚めて、まずプールへ行く。
ホテルの宿泊客は、プール使用料はとられない。
20メートルくらいのやや小型の競泳用プールと、曲線型のプール、それにジャグジーなどがある。
日曜日のプールは、半分に仕切って、大人たちは3コースを使っている。
残りの3コースは、スイミングスクールの子供たちで一杯だった。
20分くらい流して、ジャグジーへ。 先に入っている人と、軽く目で挨拶を交わす。
目で挨拶を交わすというのが、日本では最近やらなくなったような感じがするが、どうなんだろう…?
香港の人たちも、健康志向なのだろうか。
中高年の、しかも女性が多い。
スクール水着のような、ややダサイ水着が微笑ましい。
近所の人たちだろうか、お互いに顔見知りらしく、なにやら話をしている。
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コラーゲンの鶏の手 |
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ウサギのデザート(同行メンバー撮影) |
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プールから上がって、気持ちよく、ロビーに集合。
今朝は飲茶である。
ふたたび鴻星酒家へとくりだす。
ここはワゴン式ではなく、メニューに記入する方式である。
だから、周りの人が何を食べているか、じっくりと偵察しないと、注文するものが分からない。
10品くらい注文しただろうか。
美味い。
微妙な味が、ほんわりと口の中に広がる。
どれも上品な味である。
モミジ(鶏の手)は日本人が食べないから、中国に輸出しているのだそうだ。
ひょっとすると、ボクたちが食べたモミジは、メイド・イン・ジャパンだった? じっくり煮込んであるが、けっして味が濃くない。
どれも日本では食べることができない。
それほどデリケートである。
今日は、香港島の骨董街に行くことになった。
やっぱりスターフェリーである。
今日はロアーデッキにのって、中環をめざす。
となりには外洋船だろう、大きな船が係留されている。
中環の艀(はしけ)が、今日は昨日とは反対側に着いた。
空中歩道を街のほうへ向かう。
日曜日のせいで、若いフィリピーナがたくさん集まっている。
床に段ボールを敷き、四方山話に余念がない。
カードをやっているグループもある。
国外に出て、彼女たちはたった1人、住み込みで働いている。
言葉も違うし、食べ物も、気候も違う。
孤独だろう。
勤め先のグチや、故郷の話など、週に一度のゆったりした時間にちがいない。
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屋根のかかっている部分がエスカレーター |
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彼女たちのかたわらを歩いて、骨董街へと向かう。
すると空中歩道が、そのままエスカレーターに接続していた。
骨董街のことを忘れて、エスカレーターにのってしまった。
このエスカレーターがなが〜い。
どこまでもどこまでも続くエスカレーターで、両側には飲食店などが軒を並べている。
これだけ長いと、有料じゃないかと思えるほどで、振りかえるとはるか下に街が見える。
エスカレーターの右側には、階段が続き、その向こうにはアパートがならんでいる。
とうとうエスカレーターは終わりかと思ったが、デッキ状の通路を戻ると、またエスカレーターが続いていた。
途中にはスーパーマーケットもある。
このエスカレーターは観光客のためだけではなく、傾斜地に住む地元の人たちのためのようだ。
終点についても、特別に何があるというのでもない。
静かな道路が横切っており、住宅地が続いているだけだった。
さて、そこからどこへ行くか。
骨董街ははるか下に通りすぎてしまった。
そこで、ビクトリア・ピークに行こう、ということになった。
たしか、この近くにケーブルカーの駅があるはずだ。
ところが、近所の人に聞いても、ケーブルカーの駅を知らないという。
地図を見ながら、当てずっぽうで歩いていく。
歩いてビクトリア・ピークに向かう人と、途中で一緒になる。
ぐるぐるとまわる道や、細い空中歩道が、自動車専用道にからみながら下へと続いていく。
せっかく登ったのに、どんどんと下っていくのだ。
この辺に住んでいるらしき白人の男女に、ケーブルカーの駅を聞いてみた。
自分たちと同じ方向だから、付いてこいと言う。
近道だといって、動物園の中を通ったりしながら、ケーブルカー駅まで案内してくれた。
ドイツ人の夫婦で、すでに10年も香港に住んでいるのだとか。
同行メンバーの1人が、ドイツの会社に勤めていることもあって、ドイツの話がびんびんと通じる。
なんと彼等の姪が、同行メンバーと同じ会社に勤めているのだとか!
市民権も持っているらしく、香港は良いところだと、さかんに香港の宣伝をしていた。
2人と分かれて、ケーブルカーにのる。
ここでもオクトパスが使える。
古いケーブルカーは、ちょっとスリルがあって、楽しい乗り物だった。
ビクトリア・ピークの頂上は、ちょっと霧がかかっていたが、それでも香港の街並みはよく見えて、来たかいがあった。
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エスカレーターの終点あたりの住宅街 |
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こんな上のほうまで、住まいが建っている。
今では車が入るだろうが、昔この家を建てたときは、さぞ大変だっただろうと思う。
ここまで資材をどうやって上げたのだろう?
また、こんな高いところに住んで、日常生活に不便ではないのだろうか。
それとも、ここはウィークエンドの住まいで、ダウン・タウンにはマンションをもっているのだろうか。
それにしても、子供だっているだろうし、どんな生活を営んでいるのだろうか。
その裕福そうな家を見ていると、女中さんだろうか、サンルームから出てきて、洗濯物をとりこんでいた。
ビクトリア・ピークは典型的な観光地である。
山頂の展望台には、何軒もの土産物屋がひしめいている。
さまざまな人種がうろうろしている。
われわれ老人たちも、一緒になってうろうろする。
一番上の屋上に出るのは、有料であった。
今日は霧で視界が悪いが、一度支払った入場料は、何も見えなくても返さないよ、と案内の女性がいう。
最初、彼女が何をいっているのか判らなかった。
すると、列に並んでいた日本人女性が、返金しないのだと説明してくれた。
彼女は香港に住んでいるのだとか。
屋上をうろついた後、ここで簡単な昼食。
ヨーロッパから来た若者たちの隣に席をとる。
若者の元気と、アホさ加減は、どこでも同じ。
若い時代は良いものだ。
ここのトイレが、昔の小学校にあったような形で面白かった。
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