団塊たちのソウル
2009.4.5−記
第1日目 金浦空港まで ソウル、第1食目
第2日目 お巡りさんと青瓦台 老人公園、宋廟、焼き肉
第3日目 南大門市場から韓屋マウルへ 民家と高層アパート
第4日目 犬の肉を食べにいく 雨中居のトップに戻る


第3日目   南大門市場から韓屋マウルへ  


 本日は全員で南大門市場へ行く。
Aさんを入れて、7人がぞろぞろと歩く。
市場の入り口で、おばさんを相手に両替。
おばさんが街角で両替する風景は、外貨管理の厳しい我が国ではみかけないが、アジアではよく見かける。
しかも、交換率は銀行よりも良い。
どういう仕組みになっているのだろうか。

 焼けてしまった南大門の前で、11時に再会を約して、眼鏡製作組とぶらぶら組に分かれる。
ボクは市場をぶらぶらする。
途中で掛け接ぎ屋さんを発見。
おばさんが手動ミシンをふんでいる。
背負っていたリックの肩ひもを、2000ウォンで補修してもらう。
日本から気になっていたホツレが、簡単に修理されてしまった。
地下の魚市場を眺めたり、ぶらぶらと歩く。

 11時に集合した一同は、市場のなかの定食屋さんへと向かう。
テーブルが6〜7台の小さな定食屋さんで、細い路地裏にあるので、われわれ日本人だけでは発見が難しいだろう。
太刀魚の煮物がお薦めだとか。
鯖の煮物ももらって、ぱくつく。
太刀魚が美味かった。

 ここでもまたソウル・マッコリを買いにいってもらう。
昼から宴会をやっているのは、われわれ観光客くらいである。
12時に近くなると、近所のサラリーマンたちが集まってくる。
すでに店は満員。
店の外にはお客が待っている。
そうそうに退散する。

階段の両側に靴が
頭に荷物をのせて運ぶ
運ぶ男:ミャンマーで  

 店を出るときにふりかえると、2階への階段には、客の脱いだ靴がきっちりと並んでいる。
こんな狭い路地裏の店だが、どこでも美味い店は流行るのだ。
3階を増築したというが、しかし、ここで火事がでたらと考えると、いささか暗澹たる気分になった。

 近所の喫茶店にはいる。
スジョンガを注文する。
Aさんはテチュチャをすすめる。
と思うまもなく、ここもまた常連客が襲ってきた。
また、市場をぶらぶらする。

と、大発見をした。
なんと女性たちが、出前のお盆を頭にのせて運んでいる。
アジアの女性たちは、荷物を頭にのせて運ぶが、我が国では背負って運び、頭にはのせない。

 荷物を頭にのせて運ぶ習慣は、韓国までは来ていた。
アジアの運搬文化は、韓国で止まり、対馬海峡を渡らなかった。
それとも、大原女などの例があるように、頭にのせて運ぶ習慣はあったが、絶えてしまったのか。
これはボクにとっては、大発見だった。
でもなぜ、日本に入らなかった、もしくは絶えてしまったのだろうか。
今後の課題になった。

 食後は一同で、韓屋マウルへいく。
しかし、ボクとAさんは、知り合いの写真屋さんへいく。
3時集合ということで、韓屋マウルの入り口で一同と分かれた。

 連れていかれた写真屋さんは、とんでもない急階段の2階にあった。
歩道からいきなり始まる階段で、階段というより梯子である。
個人使用だから許されるにしても、頭がぶつかりそうだし、でも、用心するから安全なのだろうか。
降りるときは、ほんとうに恐ろしかった。

 すべてのカメラが修理可能だという。
腕利きの修理屋さんだった。
韓国でも、最近はニコンよりキャノンのほうが人気があるという。
すでに生産中止になったキャノンのDSが、お薦めだといっていた。
リポビタンDのようなものを飲みながら、しばらく写真の話をする。

 帰り道、洋服屋が見えた。
香港で背広をオーダーしたことを思いだし、韓国で背広をオーダーするとどのくらいかかるのだろうか、とAさんに聞いた。
するとAさんは、気軽に洋服屋に入る。
いかにもの注文服屋さんで、相場を教えてくれた。
それによると、仮縫いを入れて、韓国産の布地で70万ウォンくらい、イギリス製の布地で150万ウォンくらいだという。

 韓屋マウルに戻ってみると、集合の約束まで時間がある。
2人で公園を歩く。
Aさんが子供の頃に遊んだ遊具が、中庭にころがっている。
自転車のリム回し、足で蹴る羽根つき、投げ矢などなどなど。
自由に使えるので、Aさんは嬉々として遊んでいる。
ボクもそれにつきあう。
白人観光客も一緒になって遊んでいた。

 韓屋マウルは、両斑(ヤンパン)の住宅だったそうで、オンドルの部屋に感心する。
オンドルのある部屋と、ない部屋では床の仕上げが違う。
ソウルが寒いせいだろうか、天井が低く、一部屋が3〜4畳くらいと狭い。
庭にはキムチの瓶があったり、一種の民家園といったところだろうか。
建具の組子が美しい。

 かわいい風鐸が吊り下がっている。
中庭には舞台もある。
広い敷地で、全体が大きな公園になっている。
ソウル・ハウスといって、結婚式にも使われている建物もある。
そろそろ待ち合わせの時間である。
のんびりと入り口のほうへ戻っていく。
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