香 港 再 訪  
2007.11.15−記
第1日目 香港の飛行場にて 香港島のトラム
第2日目 飲茶のあとは郊外へ 高層アパート群と上海蟹
第3日目 中国本土の境界へ ペニンシュラ・ホテルと
第4日目 もう帰国か! 雨中居のトップに戻る


第1日目   香港島のトラム  


 高速鉄道にのって、20分くらいたっただろうか、2つ目の九龍(カオルーン)駅でおりる。
ガードマンらしき人に、尖沙咀(チィムシャッツィ)?と聞くと、彼はガラス製のエレベーターを指さした。
コンコースと地上階とを結ぶエレベーターで、他に2・3人が乗った。

 エレベーターを降りると、無料バスの発着所があった。
カウンターで九龍ホテル?と聞くと、K3のバスに乗れと言う。
ブルーのマイクロ・バスが、ドアを開 けて待っている。
何人か乗って、程なく発車。
運転手さんに、九龍ホテルと伝えると、頷いてくれる。
10分くらいで到着、運転手さんがここだと合図する。

 バスを降りたは良いが、どこだか判らない。
ここではじめて、ちょっと当惑。
近くにはYMCAとペニンシュラ・ホテルがみえる。
しかし、九龍ホテルはわか ならい。しかたなしに地図を広げ、街なかでお上りさんを演じる。
客引きにはカモだろうが、誰も寄ってこない。近くの人に聞くが、言葉が通じない。

 ちょっと歩く。
ホテルのドア・ボーイがいたので、近寄って聞いてみると、何とそこが九龍ホテルだった。
尖沙咀が街の中心だから、尖沙咀にあるホテルを探 し、九龍ホテルに日本から予約を入れたのだ。
何という幸運。
そのドア・ボーイが荷物を持ってくれる。

 チェック・イン。
受付の女性は、部屋のアップ・グレードを提案してきた。
道路側の部屋から海側の部屋にかえて、朝食サービスを付けるのはどうか言う。
これが無料なら、大歓迎だが、有料なのである。
しかも相当に高い。
雰囲気にのまれて、ついイエスと言ってしまいそうである。
きわめて印象が悪い。

 隣のペニンシュラ・ホテルが良いのはもちろんだが、1泊5万円近くて手が出ない。
YMCAのほうが安かったが、予約が取れなかった。
九龍ホテルは中級ホテルで、良くもなく悪くもないといったところだろうか。
立地と値段だけを考えれば、宿舎という感じのYMCAのほうが、割り切れて良いだろう。 

 部屋に入ってみると、荷物が来ていない。
電話を入れると、どんな荷物だと聞く。
黒くて小さなバックで、部屋の番号というと、すぐに荷物が届いた。
$1のチップをわたす。
とても狭い部屋で、道路をへだてた目の前に、ペニンシュラ・ホテルがみえる。

 現在の時刻は夕方の5時。
さて街に行こう。
まず、2階建ての路面電車=トラムにのろうと、香港島にわたる。
ホテルの案内(コンシェルジュ?)で、スター・フェリー乗り場を聞く。
地図を広げて○をして、YMCAを通っていけという。

 ホテルの前が道路工事中で、道がよく判らない。
それでも何とかYMCAをとおりぬけ、広い道路に出ると、右手にフェリー乗り場がみえた。
しかし、かつてのスター・フェリーはなくなっていた。

 尖沙咀と対岸の中環(セントラル)をむすぶスター・フェリーは、岸壁からそのまま乗り込めたはずだが、切符売り場があって様子が違う。
地下鉄ができたので、足としてのスター・フェリーは廃止され、観光客向けのフェリーになっているようだ。
でも、かつての風情はのこっている。

 海の風を受けながら、香港島にむかう。
右から左へと、ずらっと高層ビルが並ぶ。
中央にひときわ高いビルができている。
高さではかつて最高だった中国銀行もかたなしである。
むかしピカピカに光っていた香港上海銀行ビルは、完全に風景に沈んでしまっている。
あれだけ話題になったのにと、いろいろと感慨深い。

 半島側を振りかえると、低い建物がこんもりとした感じで地上に広がっている。
そのなかにあちこちと、高い建物が新築されている。
やはり時間の流れを感じる。
しかし、ピリピリした刺激的な感じが消え、のんびりとした空気が漂っている。
街の活気が感じられないのは、思い過ごしだろうか。

 中環の桟橋につく。
作業員が命綱を付けている。
海に落ちるのを防ぐため、人命に配慮され始めたのだろう。
先進国の証だ。
桟橋の建物をでると、大きな横断歩道橋のような橋が、たくさんの建物をつないでいる。
人の流れに沿いながら、トラムの走る大通りへとむかう。
トラムが見えたので、地上へとおりる。

 徐々に暗くなってきた。
夕暮れをとおりこして、もう夜といったほうが良い明るさだ。
トラムはどこ行きか判らないが、終点で帰ってくればいいと、とにかく乗ってみる。
とうぜんに2階へいく。

 見晴らしが良い。
賑やかな街並みを、のろのろとすすむ。
ひとつの繁華街をすぎて、もう街がないかと思っていると、また繁華街があらわれる。
それぞれの繁 華街の様子が少しずつ違う。
街は海にそって広がり、奥行きが浅い。
もちろんトラムは海に沿って走っている。

 前を走っていたトラムが、左手に曲がり、別の方向へと分かれていった。
やがて、ボクの乗ったトラムも終点に近づいた。
操車場のようなところへと入ってい く。
ここで乗客は全員降りた。
小さな繁華街である。
トラムは?箕湾(ショウケイワン)行きだった。

 そろそろ夕食の時間である。
食べるところを探して、きょろきょろしながら歩く。
とある店の前に何人か並んでいる。
湯気が歩道までながれている。
何だろう と近づいてみる。
ビーフン屋さんだ。
テイク・アウトしようと、地元の人が並んでいる。
これは美味そうだ。
入ってみよう。

 入り口には、お粥を満たした大きな鍋がある。
学生食堂のような店内は、テーブルが8つ。
30人も入れば一杯。
若い店員さんは、お粥とビーフンのセットで$24になったものをすすめてくれる。
お粥もビーフンも、なかの具をそれぞれに選べる。
この写真は九龍側で撮ったもの

 お薦めにしたがってセットを頼む。
それにビール。
缶ビールしかないという。
OK。
サンミゲルの缶ビールが出てきた。
この缶、プルトップが壊れて、半分し か開かない。
2缶目を頼んだら、もっとひどくて、チョビット開いただけで、壊れてしまった。
コップに注ぐのに苦労する。

 しかし、お粥もビーフンも美味い。
さすがに繁盛している店だ。
お粥の中に入っているのが、ミートボールのようだが、薬味が利いている。
春巻きのような ビーフンは、とろーとして、箸で持ちあげるのに苦労する。
でも小さく切ればなんとかなる。
口に入れると、とろけていく。

 香港人はちょっと見には、日本人と区別が付かない。
そのためだろうか、店内の注目を集めずにすんだ。
これがタイやインドなら、外国人が食べていると、店 中の関心が集まってしまう。
帰り際に、店のオヤジと目があった。
ニヤッとし、お粥に入れるトッピングの材料を、ちょっとつまませてもらう。

 帰りもまたトラムである。
最初にきたトラムは、中環には行かないと言う。
2台目のトラムに乗る。
時刻が遅いせいか、空いている。
2階の一番前の席もあいている。
?箕湾行きのトラムと良くすれ違う。
しかし、?箕湾はガイド・ブックにはのっていない。
観光客がいく所ではないようだ。

 どんな街でも、路面電車や路線バスにのると、街の雰囲気がわかっていい。
ボクは用事がなくても、路面電車や路線バスにのる。
中環まで戻ってきた。
中国銀 行や香港上海銀行ビルに、ネオンサインが入っている。
中国独特の赤や黄色の、派手派手しいものではないが、このあたりは日本人の感覚とはちがって、なかな かシュールである。

 帰りもフェリーに乗る。
下の1階(ロアーデッキ)は$1.7で、上の2階は(アッパーデッキ)は$2.4である。
来るときは下だったので、こんどはアッ パーデッキに乗る。
しかし、大した違いはない。
このフェリーもオクトパスが使えるが、まだ補充していないので、タッチパネルにはねられてしまった。

 フェリー乗り場では、日本人らしき人たちにもあった。
かつてより日本人は、ずっと少なくなった気がする。
尖沙咀にもどり、YMCAでお茶する。
ストローベリー・アイスクリームがどぎついピンクで、苺味だというが人工甘味料が一杯のようだ。

 ということで、第1日目は終わった。

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